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水稲の施肥法について


 水稲の施肥法には、大きく分けて分施と全量基肥があります。分施は従来から行われている方法で、基肥にBB肥料や化成肥料などの速効性肥料を施用し、出穂前の適切な時期に穂肥を施用する方法です。
 一方、全量基肥は専用肥料である「ひとまきくん」などの全量基肥肥料を用いて、基肥と穂肥を同時に施用する方法です。

 省力技術として近年は全量基肥が主流になっていますが、分肥と全量基肥にはそれぞれ長所と短所があります。どちらがわが家に適しているのかを考えてみるのもよいでしょう。

全量基肥

 全量基肥肥料は、肥料成分のうち窒素を、基肥用としてすぐに効く窒素、高分子樹脂でコーティングして中干し頃から効き出す窒素(LPS)、稲の生育期全般にわたって効く窒素(LP)に分け、これらを品種に合わせてバランスよく配合しています。したがって、基肥と同時に穂肥も施用できます。

 全量基肥肥料の長所は、夏の暑い時期に水田に入らなくてもいいことと合わせ、概ね穂肥の施用適期に肥効が発現してくるため、穂肥の時期を気にしなくても済むことです。

 一方、短所は地温によって溶出速度が変わるため、穂肥が適切に効かない年もあることです。したがって、穂肥時期になっても葉色が著しく淡いような場合は、全量基肥でも穂肥を少量施用すると収量が向上することがあります。また、全量基肥は分施と比べてピンポイントでの施用ができないため、分施よりは若干収量が低いという声も聞かれます。全量基肥は分施に比べ、初期の葉色は薄く、茎数の増え方も緩やかです。

 全量基肥肥料は、コーティング材が日光(紫外線)で分解されるように作られています。施用後、長期間そのまま放置しておくと、LPS、LP窒素の溶出パターンが乱れるので、なるべく早く土壌に混和してください。また、購入後の保管も、日の当たらない場所での保管をお願いします。

分 施

 分施の長所は、天候により水稲の生育が早まったり遅れたりした場合、あるいは田植え後に曇りや雨の日が多く水稲が軟弱となった場合などに、生育に合わせて穂肥で調節できることです。基肥で生じた施肥ムラを修正することもできます。

 また、穂肥の一番適した時期に適量を施用する事が可能であり、収量の向上がより期待できます。さらには、水田に入ることで畦畔からでは見えない病害虫を発生初期に見つけることにもつながります。

 i一方、短所はその年の穂肥適期を正しく把握することが必要であり、時期や量を間違えると倒伏につながることもあります。また、夏場の穂肥施用はたいへんな作業です。


尾張農林水産事務所農業改良普及課(農業普及指導センター)

 

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