春に種まきして育ててきたネギの苗は、7月に入り、太さが1cm内外になったころ畑に植えつけます。
苗とりは株元に鍬を入れ、できるだけ根をつけるようにして掘り上げ、下の方の枯れ葉を取り除きます。そして大、中、小に分け、大きさをそろえて植えるようにします。苗数にゆとりがあれば、なるべく大きいものを選ぶにこしたことはありません。
畑の植え溝は、深さ25~30cmになるよう鍬を使って丁寧に掘り、形くずれしないようにつくります。そのため前作を片付けたあとは残葉をとり出すだけにし、耕やしたりしないで畑が固まったままにしておき、植えつけ直前に溝づくりをするのがコツです。このとき、土は大部分を片側に高く盛り上げるようにしておきます。
植えつけは図のように、溝の片側(土を盛り上げた方)に、苗を寄せつけて、垂直に立てるようにして行います。倒れないように根本に2cmほど土をかけ、足で踏みつけておくと作業がしやすくなります。ネギは白根の部分に早いうちに土を厚くかけすぎると、育ちが大変遅れることを知っておいてください。
乾きには強い方ですから、かん水は全くいりませんが、盛夏の暑さは格別ですから、これを防ぎ、秋になってたくさん土寄せしてからも通気がはかれるよう、溝の中には稲わらや乾草などをたくさん入れておくことが大切です。
肥料は、涼風を受けて生長が盛んになり始めてから与えるようにします。植え付け時の元肥は与えなくてよいのです。
土の過湿には弱いので、多雨のあとの排水に気をつけ、風で倒れたら早めに起こし、姿勢を直してやるなどの気配りも必要です。
坂木技術士事務所●坂木利隆
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