野菜を収穫した後には多くの茎葉が畑に残りますが、その処理の仕方について考えてみましょう。
野菜は茎葉が柔弱で病害虫に侵されやすいのですが、その病害虫には、土壌中に長い間生存して、次に栽培したときに被害を及ぼすものがたくさんあります。
ことにナス科の青枯病やウリ科のつる割れ病、アブラナ科の萎黄病、各種野菜のウイルス病などは、土に埋まった被害茎葉や土壌から伝染するやっかいな病害です。
また、各種のセンチュウ(ネマトーダ)類も多くの野菜の根に寄生して土壌中に残り、根コブや根腐れ症状を起こさせます。
ところが、これらの病害虫に侵されやすい野菜は家庭菜園に向いているので、どうしても栽培頻度が高くなりがちですから、その処理の仕方に十分留意することが大切です。
一番大切なのは畑に残渣をすき込まないことです。少量で乾きやすいものは焼却するのが一番です。大量で燃やすことができない場合には、稲わらや落葉など他の材料と合わせて、米ぬか、油粕などを加えて堆積し、高温で発酵させ、完熟堆肥にして使うようにしましょう。
前述の野菜に比べてイネ科やマメ科の野菜やサツマイモなどは共通の病害虫が少なく、むしろ他科作物として土壌微生物を多様化し生育に良い影響を与えます。できるだけ家庭菜園の輪作に組み入れて作付けし、茎葉や根を畑に入れるようにしましょう。
サツマイモや落花生、トウモロコシなどは一緒にたい積しておくとより良い堆肥になります。
坂木技術士事務所●坂木利隆
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