ナス、ピーマン、トマトなどは、開花するぐらいの大きさの苗を育て上げるには70~80日もの長い日数がかかり、寒いなかの種まきとなるため管理も難しく、苗は買い求めるのが得策です。
一方、育苗日数の短いキュウリ、カボチャ、トウガン、シロウリなどは割合容易に育てられるので、自家育苗にトライして好みの品種を育ててみてはいかがでしょう。
種まきは桜の花が散ったころ。径9cmのポリ鉢を用いて市販の育苗用土(またはそれに類した園芸培養土)に種子を3~4粒まき、1cmの厚さに覆土します。
発芽には25℃以上の温度が必要なため、日当たりの良い場所に図のようなビニールトンネル苗床を設け、その中に鉢を並べて発芽させます。発芽するまでは密閉して温度を高めますが、32~33℃以上は危険ですから、そのようなときはフィルムのすそを上げて換気します。
夜間は昼の蓄熱でかなり保温できますが、14~15℃以上は欲しいので、気温が低すぎるときはムシロ、不用品の毛布などで保温します。
寒い地域では、図のように径12cm内外の筒状の透明フィルムの袋をつくり、水を蓄えて日中の温水で夜の保温力を高めるなど、太陽熱を有効に利用するとよいでしょう。
少ない本数の苗で足りるようなら、あらかじめ鉢を育苗箱などに並べておき、冷え込む夜には屋内に持ち込むのがよいでしょう。
苗が育つにつれて間引きし、本葉2~3枚になったら1本立ちにし、本葉4~5枚のころに畑に植え出します。後半、葉色が淡くなったらかん水代わりに液肥を与え、元気をつけて植え出すようにしましょう。
坂木技術士事務所●坂木利隆
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