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家庭菜園

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【実践編】月毎の栽培ポイント


秋から春先まで、新鮮な味と栄養価が魅力のブロッコリー

 抗がん作用が高いと注目される野菜です。カロテンとビタミンCが豊富で、免疫力アップや抗ストレス効果も。カリウム、鉄、クロムなどのミネラルも含まれています。
 家庭菜園で秋から早春まで長く取り続けるには、品種選びが大切です。頂花蕾(ちょうからい)だけでなく、側花蕾(そくからい)も取れる「頂花蕾側花蕾兼用」品種がお勧めです。
 種まきの適期は7月中旬です。育苗期は高温期に当たりますが、秋の生育適温下で最大成長するので育てやすいのです。頂花蕾は10月下旬、側花蕾は10月下旬から3月ころまで長期間収穫できます。
 育苗は128穴のセルトレイ、少ない本数でよければ3号ポリ鉢に3~4粒まきとし、育つにつれて逐次間引きし、1本立てにします。
 セル育苗では本葉3~4枚、鉢育苗ではやや大きく本葉5枚ぐらいの苗に仕上げて本畑に植え付けます。育苗期間は暑い盛りなので、苗はできるだけ風通しの良い、涼しい場所を選び、強光時にはよしず、遮光ネットなどで覆い、灌水(かんすい)は朝夕にたっぷり与えるなど、常に目配りし、入念に管理しましょう。
 保水力のある有機質に富む土壌を好むので、植え付ける畑には少なくても半月ぐらい前に、植え畝の中央部に、くわ幅10~12cmの溝を掘り、良質の堆肥と油かす、化成肥料を長さ1m当たり堆肥5~7握り、油かす大さじ7杯、化成肥料同5杯ぐらいを施します。成長が盛んになったら月2回ぐらい、化成肥料を1株あたり大さじ1杯ぐらい追肥します。頂花蕾を収穫したときには多めに追肥し、側花蕾の発達を促します。
 根は湿害に弱く、秋の多雨による病害の発生の恐れもあるので、株元が低くならないよう、特に多雨後の排水に注意して下さい。
 茎の太さの割に草丈が高くなるので、風当た値の強い所では小支柱を立てて転倒を防止しましょう。
 頂花蕾は径12~13cmぐらいで収穫します。茎を長く付け過ぎると側花蕾の数が減るので、短く切り取ります。側花蕾は大きくはなりません。径4~5cmほどで収穫します。いずれも蕾(つぼみ)が大きく膨らむと品質を損ねますので、緑が濃く花蕾が締まって手いるうちに収穫します。
 アブラナ科の野菜は、苗のうちからアブラムシ、コナガ、アオムシや黒斑病、軟腐病などにやられるので、早期に発見、適農薬を散布して防ぎましょう。

坂木技術士事務所●坂木利隆


<【JA広報通信】より引用>