茎の基部が株のように球形に膨らむコールラビ。別名を球形カンラン
(甘藍=キャベツ)とも。地中海沿岸地方の原産、葉はカリフラワーに似ていますが、キャベツの原始型ともいわれます。
日本に渡来したのは明治初期と古いのですが、あまり知られていなかったのは食べ方が分からず、和食に合わなかったためのようです。
味はブロッコリーの茎の部分に似て、こくがあり、癖がなく、歯ごたえが良く、適度な甘みもあります。皮をむいて4~5mmの薄切りにし、サラダやあえ物、クリーム煮にしたり、アレンジしてみると良いでしょう。ビタミンCはカブの3~4倍、カリウムも豊富で、高血圧を予防し、免疫力を高め、美肌効果も期待できます。生育適温は、15~20度、冷涼な気候を好み、キャベツよりも高温や低温に耐える力があるので、栽培しやすい野菜といえます。
種まきの適期は6月中旬から8月初旬ぐらいまでの夏まきと、9月上旬から10月上旬の秋まきです。
畑は前もって石灰と堆肥を全面にまき、15~20cmの深さによく耕しておき、種まきの前に、条間50cm、くわ幅の溝に元肥として油かす、化成肥料を1平方m当たり、それぞれ大さじ3杯を施し、軽く覆土して、種子を2~3cm間隔にまき付けます。
発芽したら育つにつれて間引き、最終株間を15~17cmぐらいにします。生育の途中2~3回、化成肥料を追肥しましょう。
3号ポリ鉢に4~5粒まき、育つにつれて間引き1株を残し、本葉4~5枚の苗に仕上げ、プランターに株間15~17cm植えとし、球形に膨らむ様子を見て楽しむのも良いでしょう。
球が4~5cmに肥大したころ、図のように球から横に向かって伸びている葉の葉柄を2~3cm残して切り取り、球の肥大を促します。
収穫は球径が5~6cmに肥大したころから逐次行います。大きくなり過ぎると肉質が堅くなるので、取り遅れないようにしましょう。
球の下部、根元付近は堅くて食べられないので、1~1.5cmは切り除いてください。収穫物は新聞紙にくるんで冷暗所に置けば4~5日ぐらいは十分持ちます。
坂木技術士事務所●坂木利隆
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