西洋ネギともいわれ、フランス料理ではポワロ―との呼び名でシチューや肉の付け合わせに利用されます。土寄せした太く白い部分(軟白)は外観的には「下仁田ネギ」に似ていますが、葉ははかま状に両側に重なって付きます。煮込んでも煮崩れせず、歯切れが良く甘味と香りがあります。なお、若取りしたリーキはポワロジェンヌといい、柔らかで生食もできます。
【栽培時期】根深ネギと似た作り方で、春彼岸ごろに種をまき、夏に苗を植え付け、冬に収穫する春まき栽培が一般的です。根深ネギより栽培期間が長くかかります。
【品種】「ポワロ」(タキイ種苗)、「ポトフ・ルフレ」(渡辺農事)などが、茎葉が太く寒さに強い品種です。
【苗作り】地床では、1平方m当たり化成肥料(NPK各成分を100g、苦土石灰100gくらいを散布し、畝幅100g程度の栽培床を作ります。
畝の方向と直角に20cm間隔に、暑さ1cmくらいの板で深さ5、6mmの溝を作り、株間1cm間隔に種まきします。セルトレーでは育苗用土を使い、128穴トレーなどに1セル当たり2、3粒まきます(図1)。その後、本葉3、4枚までに株間2、3cm(セルトレーでは1本立ち)に間引きます。
【畑の準備】元肥は事前に1平方m当たり苦土石灰200g程度を散布し、その後完熟堆肥1kgと化成肥料150gを施用します。畝幅は90cm程度、植え付け溝は深さ20cm、幅15cmに掘り下げます(図2)。
【植え付け】中間地では5、6月が植え付け期となります。草丈7、8cm、鉛筆程度の太さの苗を、はかま状に開く葉を畝の直角方向にし、およそ10cm間隔で溝に立てます。根元に少し土をかけ、その上にわらや腐葉土を5~10cmの厚さに入れます(図3)。
【追肥・土寄せ】秋口から3、4回、1ヵ月ごとに株元に畝1m当たり化成肥料50gをまいて長ネギのように土寄せ(軟白)をします。このとき、葉と葉の間に土が入らないように丁寧に行います(図4)。
【病害虫の防除】リーキは農薬取締法では「ねぎ」に含まれ、ネギに使える農薬を利用できます。特に、軟腐病やハモグリバエ、アザミウマに注意します。軟腐病にはZボルドーなど、ハモグリバエ、アザミウマにはベニカ水溶剤などの登録農薬を使用基準に従って散布します。
【収穫】茎の太さが3~5cm白身が20cm以上になれば収穫ができます(図5)。
園芸研究家●成松次郎
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