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ダイコン

ダイコン

特徴

 ダイコンの原産地は中央アジアで、やせた土地でも育つ丈夫な野菜です。広く日本料理の食材に用いられ、品種も多く古くからなじみ深い野菜のひとつです。全国各地に土着し、宮重、方領、守口、桜島、聖護院といった、特色のある品種が多く、改良も盛んに行われています。
 ダイコンに含まれる栄養価は、根には食物繊維、ビタミンC、カリウム、カルシウムなど、葉にはビタミンC・E、βカロチン等を豊富に含んでいます。葉は捨てないでお浸しにしたり、味噌汁の具にして美味しく食べられます。

野菜情報

栽培カレンダー
主要品種 【春まき】春まさり、天宝 【秋まき】宮重、緑輝、大蔵、耐病総太り
連作障害 2年
施肥例
(10平方メートル当たり)
土作り 苦土石灰1kg
元肥 化成肥料2kg
追肥 化成肥料1kg/回
 1回目(2回目の間引き後)
 2回目(3回目の間引き後)
 3回目(追肥2回目の半月後)
畝 幅 60cm
株 間 30~35cm
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播種期

春まき 4月中旬
秋まき 9月上旬~中旬
 畑が十分に湿ったとき、種をまきます。ダイコンは直根性のため、直播きします。花芽分化が起きる気温の前に、根を十分肥大させることが必要なので、播種時期を守りましょう。秋まきでは9月上旬〜中旬が適期です。
 底が平らな牛乳瓶を土の表面に押しつけて、深さ1cmほどの播種穴をあけます。穴に4~5粒を播種し、覆土します。播種後は、藁やもみ殻、不織布などをかけ、乾かさないように管理します。また降雨によって種が流されやすいので、藁などで覆うことは大切です。

間引き

 本葉1枚の頃から6~7枚の頃にかけて3回行います。間引きは子葉が正ハート形で、素直に開いているものを残すようにしましょう。育ちが異常に早いものや子葉が非対称のものは、岐根や短形になる場合があるので間引きます。

追肥・土寄せ

 1回目は2回目の間引き後、株の周りに追肥し、株元へ軽く土寄せします。2回目は3回目の間引き後、片側の畝に追肥し、土寄せします。3回目は追肥2回目の半月後、2回目と反対側の畝に追肥し、土寄せします。
 ダイコンは多肥性の野菜です。収穫までの期間に肥料切れを起こさないことが大きく育てるためのポイントです。
 生育が急速な時期は肥料の吸収がとても盛んになります。この時期に肥料切れになると根が大きくならず味も落ちてしまいます。追肥のタイミングを逃さず、肥料切れを起こさないように育てることが大切です。

収穫期

 根がよく肥大し、上方に向かって勢いよく伸びてきた葉が開きぎみになり、外葉が垂れるようになったら収穫適期です。収穫遅れにならないようにします。

栽培のポイント

 生育適温は17~20℃で、冷涼な環境を好みます。しかし10℃以下になると花芽分化が始まり、根の肥大が停止します。生育適温に合った時期に栽培するようにします。
 播種時期は春と秋、季節に合わせて品種を選ぶことも重要です。春播きにはとう立ちしにくい品種を選びましょう。
 根は地中深くまで生長するので、有機質をたっぷり含んだ、通気性と排水性、それと保水性に優れた土壌で育てると大きく上手に育ちます。
 春まき栽培の場合は地温が低いので花が咲いたり、根が短くなったり、太らなかったりします。そうならないようにマルチを張り、地温を上げましょう。また、ビニールトンネルなどで保温し、とう立ちを防ぎましょう。

栽培上の注意点

 ダイコンは強大な根を速いスピードで地中に形成するので、根形や品質が土壌や肥料栄養条件の影響を受けやすい性質を持っています。このため、種まきの半月以上前に畑全面に苦土石灰をまき、30cmくらいの深さまでよく耕しておきます。このとき、未熟な堆肥を施すと根に変形が生じやすくなります。また、土壌中に小石や木切れなどの障害物があると、根が分岐しやすくなるので注意しましょう。
 野菜を作り続けている畑で前作に堆肥が施してあれば、特に与える必要はありません。やせ地で有機質不足が心配なら完熟堆肥を種まきと同時に株と株の間に少量施すようにし、根の伸びを妨げないように注意します。
 播種後は寒冷紗やパオパオ等で覆うことで、害虫の飛来を大幅に防ぐことが出来ます。まずは外部からの飛散を防止します。
 発生しやすい害虫は、ハイマダラノメイガ、コナガ、アオムシ、アブラムシ類です。早期発見、早期除去を心掛けましょう。中でも厄介な害虫がキスジノミハムシ。幼虫は根の部分に被害を与えるので、被害が多い場所は播種時に粒剤による土壌処理を行う必要があります。
 また、発生しやすい病気は斑点細菌病、横縞症です。病気の原因は多湿によるものがほとんどなので、土壌の排水性をよくし高畝栽培にすると良いでしょう。

栽培の手順

1. 畑の準備
〈10平方メートル当たり〉苦土石灰1kg
 種まきの2週間前に苦土石灰を入れて30cmの深さまでよく耕します。
 小石や木切れなどの障害物は、根の分岐や変形の要因となるので取り除きます。
 根の変形防止のため、通常は堆肥を入れません。
2. 元肥入れ
〈10平方メートル当たり〉化成肥料3kg
 種まきの1週間前に元肥を入れてよく耕し、幅60cmの畝を作ります。
3. 種まき
 鍬幅で深さ5cmのまき溝を作ります。底が平らなビンなどを押しつけて、深さ1cmくらいの播種穴をあけます。株間は30~35cmにします。
 1か所5~6粒を片寄らないよう円状にまきます。
 まき終わったら厚さ1~1.5cm覆土し、鍬の背などで軽く押さえて種を土になじませます。播種後はたっぷり灌水します。
4. 間引き
第1回(本葉が出始めた頃)
 子葉の形がよいもの3本を残します。形が整っていないものは根が変形しやすいです。
第2回(本葉3~4枚の頃)
 2本に間引きます。
第3回(本葉6~7枚の頃)
 1本に間引きます。
5. 追肥・土寄せ
第1回(第2回の間引き後)
〈10平方メートル当たり〉化成肥料1kg
 株の周りに追肥し、株元へ軽く土寄せします。
第2回(第3回の間引き後)
〈10平方メートル当たり〉化成肥料1kg
 片側の畝に追肥し、土寄せします。
第3回(追肥第2回の半月後)
〈10平方メートル当たり〉化成肥料1kg
 第2回と反対側の畝に追肥し、土寄せします。
6. 収穫
 ダイコンの直径が7~8cmくらいになり、葉が横に広がってきたら収穫適期です。
 収穫が遅れると、す入りの発生や軟腐病の原因になるので注意しましょう。