インゲンマメ
特徴
インゲンマメは中南米から17世紀に中国を経由して日本に渡ってきた野菜と言われています。インゲンマメはカロテン、食物繊維、ビタミンC、カルシウムなどを豊富に含みます。たっぷりの熱湯でさっと下ゆでした後、天ぷら、ゴマあえ、サラダ、煮物などに使え、どんな料理にも相性が抜群です。緑色が美しく、料理の彩りとしても重宝します。
インゲンマメにはつるあり種とつるなし種があります。つるなし種を選べば支柱を立てる必要がないのでスペースが限られてしまう所でも栽培が可能です。
育てやすく、収穫までの日数が短いので、家庭菜園には最適です。やや若採りし、採りたて新鮮な、おいしさを味わいましょう。
野菜情報
栽培カレンダー | ||
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主要品種 | さつきみどり、モロッコ、黒種衣笠 | |
連作障害 | 3年 | |
施肥例 (10平方メートル当たり) |
土作り 完熟堆肥30kg、苦土石灰1kg 元肥 化成肥料2.5kg 追肥(つるあり種)化成肥料1kg/回 1回目(収穫し始めの頃) 2回目以降(2週間に1回程度) 追肥(つるなし種)化成肥料1kg/回 1回目(花が咲き始めた頃) |
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畝 幅 | つるあり種:90cm、つるなし種:70cm(2列植え) | |
株 間 | つるあり種:30cm、つるなし種:25cm | |
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播種期
5~6月
比較的温暖な気候を好み、発芽適温は23~25℃です。適温下の栽培では、播種後4~5日で発芽します。
播種後、開花までの日数は、つるなし種で30~40日、つるあり種は35~45日かかります。25℃以上の高温では花が落ちやすく、収穫できないので、真夏の収穫期を外すように、播種時期をずらすとよいです。
支柱立て
つるあり種は本葉5~6枚になるとつるが伸び始めますので、つるが巻きつくための支柱やキュウリネットを用いて誘引します。
つるなし種も倒伏を防ぐため、短い支柱を立て、ひも等で軽く縛るとよいです。
収穫期
開花後10~15日くらいが収穫の適期となります。莢の長さが10~15cmの若莢が一番おいしい頃です。
実を採り遅れてしまうと莢が固くなってしまうので、莢が膨らみ実が膨らむ前に収穫するのがポイントです。
病気の発生を予防するために、手でもぎ取らずハサミで丁寧に莢の根元を切り取って収穫します。
収穫期間はつるなし種で2週間程度と比較的短期間ですが、つるあり種は30~60日にもおよびます。
栽培のポイント
土壌の適応範囲は広く、栽培は容易です。排水良好で耕土の深い肥沃な埴壌土で最も良好な生育を示します。
インゲンマメはマメ科の中でも比較的多くの肥料を必要とする種類です。蕾が膨らみ始めた頃、株周りに施肥し、株元に周辺の土と一緒に土寄せをします。肥料をやりすぎると実が付かない事があるので適量を適期に与えることがポイントです。
短期間で何度も収穫できるので播種時期をずらして栽培すると長期間収穫できます。
雨や高温、乾燥に弱いため、播種時期を守りましょう。
つるあり種の場合は支柱立てを早めに行いましょう。支柱立てが遅れると隣同士のつるが絡み合い、ネットにうまく巻きつかなくなります。
栽培上の注意点
発生しやすい害虫は、アブラムシ類、ハダニ類、ハモグリバエ類です。発生する前に早めに防除しましょう。
梅雨時期に炭疽病、菌核病が発生しやすくなります。これらの病気は採光を良くして通気性を高めてやることで予防することが出来ます。
栽培の手順
種まきの2週間前に完熟堆肥と苦土石灰を入れてよく耕します。
種まきの1週間前に元肥を入れてよく耕し、畝を作ります。
畝幅は、つるあり種の場合は90cm、つるなし種は70cm(2列植え)にします。
30cm間隔で1か所3粒ずつ種をまきます。
種を指先で2cmくらいの深さに押し込み覆土します。播種後はたっぷり灌水します。
本葉2枚の頃、形の良いものを残して2本に間引きます。
【つるなし種】
25cm間隔の2列で1か所3粒ずつ種をまきます。
種を指先で2cmくらいの深さに押し込み覆土します。播種後はたっぷり灌水します。
本葉2枚の頃、形の良いものを残して2本に間引きます。
つるなし種は支柱を立てなくてもよいですが、短い支柱を立てれば倒伏を防止できます。
第1回(収穫し始めの頃)
〈10平方メートル当たり〉化成肥料1kg
畝の片側に追肥し、軽く土寄せします。
第2回以降(2週間に1回程度)
〈10平方メートル当たり〉化成肥料1kg
第1回と同様に行います。
【つるなし種】
第1回(花が咲き始めた頃)
〈10平方メートル当たり〉化成肥料1kg
株のまわりに追肥し、軽く土寄せします。
莢の長さが10~15cmの若莢が一番美味しいです。