ニンジン
特徴
ニンジンはカロテン含量の多い代表的な緑黄色野菜です。食物繊維やミネラルも多く含まれ、利用価値の高い野菜のひとつです。夏まきと春まきがあり、特に夏まき秋冬どりが栽培しやすいです。
原産地はアフガニスタン周辺、そこから2つのルートに分かれ、ヨーロッパに伝わった西洋種、シルクロードを経て伝わった東洋種があります。
日本には、まず江戸時代に中国から東洋種が伝わり、明治時代に入り現在の主流品種の西洋種が伝わりました。
野菜情報
栽培カレンダー | ||
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主要品種 | 向陽二号、ベーター312 | |
連作障害 | 1年 | |
施肥例 (10平方メートル当たり) |
土作り 苦土石灰1kg 元肥 化成肥料2kg、BMようりん1kg 追肥 化成肥料1kg/回 1回目(本葉3~4枚の頃:第1回の間引き後) 2回目(本葉5~6枚の頃:第2回の間引き後) |
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畝 幅 | 60cm | |
株 間 | 10~12cm | |
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播種期
春まき 3月中旬~4月上旬
夏まき 7月中旬~8月中旬
雨で畑が十分に湿ったときに種をまきます。種がやや密になるよう条まきし、4~5mmの薄さに覆土します。ニンジンの種は好光性ですので、多く覆土すると種に光が当たらなくなり、発芽不良となりますので注意が必要です。播種後は発芽まで乾かさないことがポイントです。
藁やもみ殻、不織布などをかけて毎日水やりを行い、乾かさないように管理します。また、降雨によって種が流されやすいので、藁などで覆うことが大切です。
間引き
本葉3~4枚の頃に混み合っているところを間引き、畝の肩に追肥します。本葉5~6枚の頃に2回目の間引きを行い、最終株間を10~12cmにします。前回の追肥と反対側の畝の肩に追肥し、株元に土寄せして首が緑色になるのを防ぎます。
収穫期
播種後、100~120日くらいで収穫できます。株元の根の直径が4~5cmになったものから順に抜き取り、採り遅れのないようにします。
栽培のポイント
生育適温は15~20℃と冷涼な気候を好みます。植物体が小さいうちは暑さや寒さに強いのですが、生長すると暑さによって病害が発生しやすくなります。
根の先端部分が石などの障害物に触れると、根が分かれて又根になります。土の塊や石、植物残渣などは丁寧に取り除き、深くよく耕しておきます。
密植すると根の太りが悪くなるので必ず間引きを行い、十分に株間を確保します。初期生育はゆっくりなので、1回目の間引きを少し遅らせ、競合させることで生育を促します。
栽培上の注意点
9~10月に葉を食害するキアゲハの幼虫が発生します。幼虫は発見次第すぐに除去します。幼虫が多く発生すると一晩で葉が全滅することもありますので注意が必要です。また、センチュウ被害の出る圃場では栽培しないようにしましょう。
この他に発生しやすい害虫は、ネキリムシ、ハスモンヨトウ、アブラムシ類です。薬剤が効きにくくなる前に早期発見、早期除去を心がけましょう。
病気は軟腐病、根腐病があります。土壌の排水が悪い圃場によく発生しますので、畑の排水をよくしましょう。
栽培の手順
種まきの2週間前に苦土石灰を入れ、20cmくらいの深さまでよく耕します。
小石や木切れなどの障害物は、根の分岐や変形の要因となるので取り除きます。
種まきの1週間前に元肥を入れてよく耕し、幅60cmの畝を作ります。
厚さ4~5mmに覆土したら鍬の背で押さえて土になじませ、もみ殻や不織布などをかけて水やりします。覆土が厚いと発芽不良になるので注意します。
発芽するまでは毎日水やりを行い、乾燥させないようにします。
3~4cm間隔に間引きます。
第2回(本葉5~6枚の頃)
最終株間を10~12cmに間引きます。
〈10平方メートル当たり〉化成肥料1kg
第1回の間引き後に追肥し、軽く土寄せします。
第2回(本葉5~6枚の頃)
〈10平方メートル当たり〉化成肥料1kg
第2回の間引き後に追肥し、軽く土寄せします。
ネキリムシ、ハスモンヨトウなども発生することがあるので早期防除に心がけましょう。