中国華中地方の原産で、中国名は「青梗菜」。ハクサイの仲間ですが、茎が青くて結球しないのでこの名があります。戦後中国から導入された野菜は数々ありますが、チンゲンサイはその代表選手といえましょう。
一番の特徴は、火を通すと緑色が鮮やかさを増し、煮崩れ、目減りが少ないことですが、あくがなく、煮物、炒め物、おひたし、あるいは漬物にと使い道は広がります。
冷涼な気候を好み、生育適温は15~22度ですが、暑さ寒さにも葉菜類のうちではかなり耐える方で、4月下旬から9月中旬まで種まきでき、案外育てやすいので、家庭菜園にお勧めの野菜です。
畑にじかまき、または育苗して植え付けと両方ともできますが、長い間収穫を楽しむにはじかまきを、そろった良品を畑の回転良く収穫するには128穴のセルトレイ育苗をと、使い分けると良いでしょう。
じかまきの場合には、あらかじめ全面に完熟堆肥、油かす、化成肥料を15cmぐらいの深さに耕し込み、準備しておいた畑に、くわ幅(15~17cm)のまき溝を作り、2~3cm間隔に種をばらまきします。覆土は2~3cm厚さとします。夏に向かう栽培では防乾、防暑のために、まいた土に切りわらまたはもみ殻、完熟堆肥を細かく砕いたもののいずれかで薄く覆っておきます。
発芽したら本葉3~4枚の頃6~7cm間隔に、その後逐次間引き最終株間を15cmぐらいになるようにします。生育中15~20日置きに株の周りに肥料をばらまき、軽く土と混ぜ合わせておきます。
チンゲンサイは下の方の葉と葉の間に隙間ができ、泥跳ねにより土が入りますので、フィルムマルチが有効です。じかまきの場合には、90cm幅のベッドを作り、15×15cm間隔の穴開き黒色ポリフィルムを敷き、穴に5~6粒種をまき、発芽したら込み合わない程度に逐次間引き、本葉7~8枚で1本立てとします。追肥は必要に応じて株間に指先で穴を開けて施します。
育苗の場合にも同じくベッドを作り、あらかじめ15cm間隔の穴開き黒色ポリフィルムを敷き、その穴に本葉7~8枚に育った苗を1株ずつ植え付けます。
種まき後、春は45~55日、夏は35~45日ぐらいたち、草丈が18~20cm、150gぐらいに育ったら収穫します。家庭用ならその半分ほどに育った頃からミニチンゲンサイとして収穫、切らずに株ごと料理に用いるのも良いでしょう。
坂木技術士事務所●坂木利隆
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