モロヘイヤ
特徴
中近東からアフリカ北部原産で、砂漠地帯でも生育する貴重な野菜として、栽培されてきました。古代エジプトの不治の病に苦しむ王様がモロヘイヤのスープを飲んだところ治ったという言い伝えから、アラビア語で「王様の野菜」という意味のムルキーヤが語源となっています。
栄養価が高く、美容にも効果がある野菜といわれています。香りや味にくせがなく、少し甘みがあり、生葉を刻むと独特の粘りが出ます。
夏の青菜の少ない時期に収穫できるうえ、鉄やカルシウムを豊富に含み、非常に栄養価の高い野菜として注目されています。
若いサヤや実にはストロファチジンという毒があるので、食べないように注意しましょう。
野菜情報
栽培カレンダー | ||
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主要品種 | 特になし | |
連作障害 | なし | |
施肥例 (10平方メートル当たり) |
土作り 完熟堆肥20kg、苦土石灰1kg 元肥 化成肥料1kg 追肥 化成肥料0.5kg/回 1回目(植えつけの20日後) 2回目以降(15~20日間隔) |
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畝 幅 | 50cm | |
株 間 | 50cm | |
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播種期
4月中旬~6月上旬
モロヘイヤの種は寿命が長く、3~4年保存した種でも発芽します。発芽適温は25~30℃と高いので、気温が十分暖かくなってから播種します。
発芽しにくいので、一晩水につけてから播種するか、種を多めにまくとよいです。種は強い有毒成分を含むので、幼児やペットが食べないように取扱いに注意します。
播種後はたっぷりと灌水し、発芽するまでは乾燥に注意します。発芽後は適度に水やりをします。本葉1~2枚で生育の悪い株を間引きして1~2本を残し、本葉が5~6枚のころに畑に植えます。
植えつけ期
6月上旬~7月中旬
株間は50cmとし、畝に根鉢と同じ大きさの穴を掘ってたっぷり水をやり、水がひいたら、根鉢を崩さないように丁寧にポットから苗を取り出し植えます。
摘心
摘心しないで放っておくと、すぐに主枝が1m以上になってしまいます。摘心することで、側枝が多く発生し、草勢がコンパクトになります。草丈が30cm 程度で先端を摘み取ります。摘心すると、わき芽が次々に出てきて、充実した株に育ちます。
収穫期
7月中旬~10月下旬
草丈が50~60cm になったら、収穫を開始します。葉先の15~20cm くらいのやわらかいところを折り取ります。その後、わき芽が伸びて収量が増えます。草丈を一定に保つように小まめに収穫します。
栽培のポイント
モロヘイヤは高温や水分を好む作物で、乾燥に強いですが、土壌の水分が不足すると葉が固くなってしまいます。夏に極度に乾燥しているときはたっぷり灌水します。
モロヘイヤは栽培期間が長いので、肥料を切らさないように育てるのが多く収穫するコツです。
栽培上の注意点
モロヘイヤは病害虫にも強く、あまり心配することはないです。うどんこ病、灰色かび病が発生することがあるので、発生した葉は取り除き、被害が拡大しないように努めます。
害虫では、アザミウマ類、ハダニ類、ネコブセンチュウ、オンブバッタ、ヨトウムシなどが発生する場合があります。害虫を見つけたらすぐに駆除することが大切です。
栽培の手順
3号ポットに5~6粒まき、1~2mm覆土したらたっぷり灌水します。
子葉が開ききった頃に3本に間引き、本葉2枚の頃に1本に順次間引きます。
本葉5~6枚の苗に仕上げます。
植えつけの2週間前に完熟堆肥と苦土石灰を入れてよく耕します。
植えつけの1週間前に元肥を入れてよく耕し、幅50cmの畝を作ります。
土が乾燥している場合は、畝に灌水してから行います。
〈10平方メートル当たり〉化成肥料0.5kg
勢いよく伸び始めた頃、マルチフィルムに穴をあけて追肥します。
第2回以降(15~20日間隔)
〈10平方メートル当たり〉化成肥料0.5kg
畝の片側のマルチフィルムをめくって追肥し、軽く土寄せします。
収穫し始めたら肥料を切らさないようにします。
日照りや乾燥が続くようなら、水やりや敷きわらをします。
摘心しないで放任しておくと主枝が2m近くまで生長するので、倒伏しやすくなり管理も大変です。
枝を切るとわき芽が伸びて収量が増えますので、こまめに収穫しましょう。